煮詰まり中

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昨日の朝、TVを見ていたら細野原発担当大臣が「汚染物の最終処分場は福島県外で」、などと意味不明な供述を繰り返しており動機は未だ不明との事です(ニュース調)。

いや、心情的には分かります。電気は皆で使ってたので、福島県ばっかりに負担を強いるのは心苦しい、という事なのでしょう。でも、ソレとコレとは話を混ぜてしまうと判断を誤ります。「一ヶ所に集中する」方が結果的に科学的にも効率的にもよいのではと思うからです。

また、『風評被害ブーム』の昨今、これ以上全国にばら撒いた日には、ますます国民同士が疑心暗鬼に陥り、混乱の極みとなるのでないでしょうか。さらに、外国からの観光客の足も遠ざかるかもしれませんし、ますます輸出も困難になってしまうような気がします。

そういう事も分かっており、「ゴメン、やっぱり福島で全部引き受けて」とは、まだ言いにくい雰囲気なので、とりあえずリップサービスで言ってるという可能性もありますが、そんな先延ばしで今の場だけを取り繕おうという魂胆なら、また例の「最低でも県外」の二の舞になるのではないでしょうか。

そんな事を思いながら昼からやしきたかじんの番組を見ていると、小学四年生の子の「東北の食べ物を食べたらどうなっちゃうのですか」という質問に中部大学の武田教授は、「健康を害するので食べないでおきましょう」と両断していました。

それに対して今村克彦が「東北のお百姓さんを見て来たらそんな事が言えるか!」と激昂していましたが、「お百姓さんが食べるために子供の命を犠牲にするのですか?そもそも悪いのは毒を撒いた東電なのに、どうして皆さん私に怒るんでしょう?」と言い返され、「い、言い方が悪いんや!」と小学生並みの反論しかできていませんでした。

武田教授の主張は極めて簡易で論理的で(江川達也は「科学的」と表現してましたが)、
ドコにも破綻は無いと思います。
・100ミリシーベルト/年以下の被曝は、確実に健康被害をもたらすという物証が無いので、
 この程度なら我慢できるかなと、1ミリシーベルト/年というラインで世界的にコンセンサスを
 取ったし、日本の法律にも書いてある。
・なので、1ミリシーベルト/年以上を「大丈夫だ」と言うには、世界基準を替えるように説得した上で、
 日本の法律も変えてからでないとダメだ。
・今は5ミリや20ミリという値から換算した「暫定基準値」を元に「基準値以下」とだけ言われても、
 具体的な数値が書かれていないと積算出来ない。(そもそも測って無いモノも多い)
だから、いいか悪いかと言われたら「身を守るためには食べちゃいけない」になる。

「お百姓さんが困る」から「国民皆で我慢して不幸になりましょう」と、なぜなってしまうのかが理解できません。「福島の人が困る」ので「放射性物質を日本国中にばら撒きましょう」と、なぜなってしまうのかが理解できません。『鋼の錬金術師』でもそんな話がありましたが「二者択一じゃなくて両方とも救うという選択肢をどうして探しちゃいけないのか」と思います。

そんなこんなで、普段なら「今日のお昼はこんなモノを」と写真を載せるところなのですが、タイミングを逸してしまい、昼食抜きになりました(-_-;)。この際、「あやしいお米」でも何でも(以下略

コメント(5)

kidsさん>
 情熱大陸は見てませんが、どっちが正しいとか解るとかそういう事では無くて、
 どっちとも正しいし解るんですよ。
 なのに、正しいモン同志で何で言い合いしてんのよ、という話です。
 怒りの矛先が違うでしょと。

 「良い方法」が見付からない以上は、現状では最悪と思える事でも
 苦渋の選択をして下さいと真摯にお願いするしか無いと思います。

>ですがやはり論理と感情では議論にならないのは皆さんご理解されて
>おられる通りでして・・・・

私もこの番組見ていましたが、武田教授の話は論理的でもっともな話、今村さんの言い分は現地での現実を見てきた人だから言える事なんでしょうから、感情論と言えばそれまでですが、怒るのも解らなくもありません。

>「現地を知らないくせに」という今村氏の発言は的外れでした。

「情熱大陸」で、武田教授を取り上げていましたが、福島で講演をしているのは事実ですが、全国で講演を依頼されている多忙な身なので、どれだけ福島の現実を見ているのかは解りません。
この点は、今村さんの方が現地を良く知っているかもしれません。


福島の人だけに負担押し付けると言うのは、心情的には心苦しいです。
かと言って、何か良い方法があるかといえば・・・。

たにやんさん>
除染に関してはそれなりに多方面で研究やら実証実験やらやってるようですが、これだけの広範囲に散らばったモノを取り除き切れるかは物理的に難しいのでは無いかとも思えます。でも、出来るかどうかは分からなくともやるしかないのではとも思います。もちろん、すぐには帰れない事を率直に説明する必要がありますが。
[参考]
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2011/siryo34/index.htm

&yamaさん>
武田センセも実際福島に行って講演したりしてますし、「現地を知らないくせに」という今村氏の発言は的外れでした。人間はどうしても感情が先に立ってしまうので、お互い「農民の話を聞いた」「子供を持つお母さんの話を聞いた」、のどっちがスタートだったかで、無意識の内にどちらかに偏ってしまうというのは仕方が無い事だとは思いますが。

いずれにしても「一番足りて無い」のは、国を動かしてる方々の頭の中の許容量と想像力だと思います。非常に残念です。

たかじんの番組見てました。

武田先生の発言聞いて「当然だろぉ」とも思ったのですが
今村さんのおっしゃられている気持ちも判らなくもないです。
今村さんは実際に被災地慰問しておられるので、やはり
武田先生の「言い方」には感情的にならざる負えないでしょうし、
オイラも同じ立場ならきっと今井さんと同じ感情的に言葉になって
しまうと思います。

ですがやはり論理と感情では議論にならないのは皆さんご理解されて
おられる通りでして・・・・。

国も福島県も農産物に対ししっかりと安全だと証明し、足りない部分を
もっと国民に理解させる努力をしていただかないとと思います。

武田教授に一票。
理論と感情を同じ土俵で戦わせてもどうしようも無いですよね。

両方をきちんと説明した上で、その中から最善を探す事をしなければ何も生まれない。

福島周囲の方には大変お気の毒なことですが、本当のことが表沙汰になった暁には、あの地に住むことや作物を作ることはほぼ不可能かと自分は思っています。

国はまだ何かを隠してる様な気がしてなりません。
地震のあったその日か翌日には、政府の中枢の人間は原発でメルトダウンが起きていることを知っていたというのに、国民に対する発表は「直ちに人体に影響は無い」ですから┐('〜`;)┌。

これは単なる一個人の感想であって、それ以上でも以下でもありませんm(__)m
もし管理人様にご迷惑が掛かるようであれば、コメント削除頂いて結構です。

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このブログ記事について

このページは、skoyamaが2011年9月 5日 23:59に書いたブログ記事です。

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