追想五断章

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面白くない本を読んで「面白くない」と書くのは生産的では無いのでやめておこうと思ったところ、
3ヶ月ぶりの読書感想文となってしまいました(笑)。

この本も、特に「目新しい!」という事でも無く「超スリリング!」という訳でも無く「涙で続きが読めません!」というような事もありません。むしろ、物語的な「オチ」は序盤で見当がついてしまうのですが、それでも帰りの電車内で残り数ページまで来てしまったので、帰宅途中の喫茶店に入って最後まで読んでしまいました。

「インシテミル」はしょうもなかったのですが「儚い羊たちの祝宴」は面白かったので、この作者さんの作品は短~中編の方が管理人にはフィットするようです。

「追想五断章」 - 米澤穂信

古書店アルバイトの大学生・菅生芳光は、報酬に惹かれてある依頼を請け負う。依頼人・北里可南子は、亡くなった父が生前に書いた、結末の伏せられた五つの小説を探していた。調査を続けるうち芳光は、未解決のままに終わった事件“アントワープの銃声”の存在を知る。二十二年前のその夜何があったのか?

もうちょっと詳しく書くと、依頼人は父親が亡くなった後に昔小説を書いていた事を知るのですが、生前は文筆趣味のあるような人だとは思っていなかったので、それらを集めて読んでみたいと古書店の店員さんに依頼します。しかも、それら小説5編は全てリドルストーリー(結末が書かれていない話)であるらしく、そのような形態になった理由が何かあるのか、また、それぞれ結末が準備されているのかも気になるところです。

冒頭でも書いた通り、「オチ」は何となく想像がついてしまうので、そういった観点からはワクワク感は薄いのですが、実際に文中に挿入される5編のリドルストーリーが短いながらもよく書けていて、特に裁判の話などは、本当に「うわ!この後どうなるの?!ちゃんと書いてよ!」と思ってしまいました。まぁ、この手の話は「短い事」が逆にプラスに寄与するんでしょうけど。

また、全体に流れる虚脱感や時代の閉塞感(バブル崩壊直後)が簡潔ながらも痛々しく書かれてていて、その辺りも引きつけられたのだと思います。序盤で首を突っ込んで来ていた女の子が途中であっさりと引いてしまったり、主人公や古書店の店長さんがその後どうなったかが書かれていなかったりするところが、多少消化不良のような印象も受けますが、そういった雰囲気も「余韻の一部」ととらえれば問題にはならないと思います。

ちなみに、読み切るために入った喫茶店、入り口に「BIGなケーキが」云々と書いてあったので、いそいそとメニューを見てみたところ、なんと700円とのプライスが。。目をこすりながら「セット」の文字を探しましたがどう見ても単品の値段でした。ショーケースを見てみると、多少大きくはあるものの、アレで700円は無かろうと暴れそうになりましたが、大人な管理人は黙ってメニューをパタリと閉じて見なかった事にしました。事件というモノは、いつどこで何が契機となって発生するか分かりません(-_-;)。

コメント(4)

700円といえば、大体市価の倍なので、大きさが本当に倍ほどもあるのか
計器持参で検証しに来て下さいm(_ _)m。

ケーキの話が契機になってしまったわけですね。

700円のケーキとはこれまた景気がよろs(以下自粛)。

でしょう?700円は幾らなんでもという感じでした。何をトチ狂ったのか(^^;)。
ちなみに、辛いカレー屋の近所にあるケーキ屋さんにイートインが出来てまして、
紅茶をタダで出してくれるサービスがあるそうです。行きます?(^^

う~む、近所の元町ケーキなら高い方のケーキが2つ!買えますね。
アソコなら店内セルフのコインコーヒー有りますので・・・越して来ますか?(・o・)。。

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このページは、skoyamaが2012年5月28日 22:32に書いたブログ記事です。

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